いざという時の危機管理としてだけでなく、平常時の意思決定や実践行動の土壌となる初期対応の習慣を体得いただく観点から、リスクマネジメントや危機管理に限られず、リーダーシップ、労務管理、マーケティング等に幅広く応用できる初期対応について、最新の事例をもとに学んでいきます。
ゴールデンウィークも終わりに近づいたこどもの日の今日、大阪と福井とで遊園地のジェットコースター事故が相次いぎました。
リスクマネジメント及び危機管理の観点から、事故原因や保守管理の問題については多くの人たちが述べることになるので、ここでは独自の初期対応の視点から、最近の日本において特徴的なことが顕著に表れたことについて記します。
今回の事故のマスコミ報道で特徴的なことは、中には負傷者らに加えて事故現場の近辺にいた人たちのなかで死傷者を見て気分が悪くなり、病院へ搬送された人があったとの内容です。
私自身も人の怪我や血を見るのは平気な方ではないので、これらの人たちには本当に気の毒だと感じます。
ところで、先日JRの特急車内で女性が脅迫暴行を受けた事件がありました。この事件のとき、事情を察知した他の乗客が犯人に凄まれて、何もできなかったと述べているとの報道に接しました。
今の日本人には、加害者でなく、また法律上の保護責任もないという状況の下であれば、我関せずの振る舞いでも良心の呵責が沸きにくいという人が、多くなっているのではないのかと心配をしているわけです。
加害者か被害者かは、法律的な責任関係に従って判断されるのが通常です。まさに、ここにこそ初期対応の重要な課題が潜んでいます。ここでは、法律より良心が優先するということを主張したいわけではありません。初期対応の真髄に触れるヒントが隠されていることに気づいていただきたいのです。
ジェットコースター事故と特急車内の女性脅迫暴行事件とは、事柄そのものの性格は大きく異なりますが、近傍にいた人たちの動静に着目すると、意外な共通点が見えてくるはずです。リスクマネジメントや危機管理の根幹を左右する初期対応の課題がここにあります。
今日のジェットコースター事故の目撃者が、事故を目撃したために精神的苦痛を受けたとして「被害者」として名乗りをあげないまでも、マスコミがこれを唆す報道をするというようなことが起こるのではないかと心配しているというわけです。しばらく注目して見守りたいと思います。
関係者の人たちには、心よりお見舞いを申し上げます。