2014年12月1日月曜日

初期対応の心得 第12回 被害拡大の防止措置

 事故・トラブル等の緊急事態が生じた場合に行うべき手順は、概ね次のとおりです。

(1) 被害の拡大・深刻化の防止
(2) 救護、被災者への支援
(3) 復旧、回復
(4) システムの改善、組織の成長

 これらの手順は、それぞれ完全に分離・整理すべきものであはありません。例えば、目の前の重篤な負傷者に応急処置を行うことは、被害の深刻化を防ぐことでもあります。

 ところで、ある重大鉄道事故で列車が脱線して反対線路を支障していたため、現場に接近つつあった対向列車を緊急停止させようと防護処置をしようとした乗務員の行動に対して、遺族が自分の子供の救護を優先しなかったことを非難する発言を耳にしたことがあります。対向列車は、刻一刻と事故現場に近づいている状況ですから、まずこれを停止させて多重事故を防ぐことは被害を拡大させない方法です。一方、その乗務員が一人の負傷者の救護することの効果は極めて限定されたものでしかありません。遺族の心情は痛いほどわかりますが、まだ危険を回避できる可能性がある大量の人々の生命・身体を、みすみす事故に巻き込むことは避けなければならないのです。



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