不祥事事件の対応で、社会からの非難を強く受けるかそうならないかかを分けるのは、責任の大小や、誠実な対応であったか否かであると考える人が多いでしょう。今回の衆議院選挙でも「みそぎ」が話題になった現職議員の当落が注目され、複数のテレビ局が取材をした選挙区がありました。
しかし、これまでの重要事例を分析すると、同種の事件において同等と評価し得る対応をしても結果が大きく異なるケースが少なくありません。政治家のお金の問題や、自動車の欠陥・リコール問題等はわかりやすい事例です。
では、不祥事対応の結果を左右するのは、どのような要素でしょうか。
第一に、公表・発覚のタイミングの良し悪しや偶然によって、結果は大きく異なります。このためマスコミ対応のテクニックに走る当事者企業等にも同情はします。しかし、このような上っ面のマスコミ対策に頼る企業等を、私は信頼しません。
第二に、政治や報道機関等の権力者の意図に左右されということです。事件そのものよりも、権力を持つ者たちの思惑によって事件が利用されるのです。潰したい相手には徹底的に非難し、社会から排除しようとします。「ソーシャル(社会的)ハラスメント」と名付けても良いかもしれません。法的な適正手続きを経ずに制裁を行うもので、私的制裁(リンチ)のようなものです。
第三に、当事者の権力・影響力です。権力を持った者に対して靡(なび)き、非難の声を弱めます。業界トップで多額の広告宣伝費を使っている企業の不祥事を大きく取り上げないマスコミ報道の姿勢を見ることがあります。
今回の衆議院選挙でも、不祥事を厳しく非難される現職議員に対して選挙区民は気にかけることなく支持する姿がテレビで映されていました。当選後に議員本人が検挙・有罪となれば、投票した選挙区民もその罪を助けたことになると考えるべきでしょう。