2007年3月19日月曜日

【事例に学ぶ初期対応】 「原発の制御棒落下トラブル」に学ぶ。 ― 報告と情報共有(1)

 北陸電力志賀原発1号機の臨界事故に関連して、1988年と1991年に東北電力女川原発1号機と中部電力浜岡原発3号機でも、沸騰水型軽水炉で原子炉の定期検査中に制御棒が抜け落ちるというトラブルがそれぞれ発生していたが、国に報告がなかったことが大きく報道されました。

 この事例をもとに、3回にわたって、リスクマネジメントや危機管理について学ぶことにします。

 まず、今回のトラブルにおけるマスコミ報道の主なポイントを挙げてみます。

  1. 制御棒の脱落は臨界事故につながるおそれがあったのだから、国に報告すべきであった。
  2. 国への報告が法令上の義務がないとしても、トラブル発生について情報共有をしておけば後の原発事故・トラブルを防げた可能性があったのだから、「情報共有」の目的で国への報告または公表すべきであった。
  3. トラブルの報告または公表しなかったのは、原発を運用する電力会社の安全意識が低かったことの表れである。
 たしかに、これらの主張は至って真っ当なものであるといえます。情報を素早く伝え、関係者と情報共有を行うことは、リスクマネジメントにおいても大変重要なポイントです。また、危機管理においても、情報の伝達・共有が重要であることは言うまでもありません。

 次回は、情報の伝達・共有が阻害される要因について考えていきます。

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