私は先回このブログで、報告と情報共有がうまくいかない要因について触れました。情報共有は罰則規定などのペナルティを設けてもうまくいかないことと、そもそも自己に不利な情報を報告することをいくら責めてみても甲斐のないことなどについて書きました。
皆さんの所属する企業や組織でも、情報共有がうまくいかないと考えている人が多いのではないでしょうか。
では、どのようなことをすればトラブル報告や情報共有が活発になるのでしょうか。
この課題については、後々、初期対応の本論で述べていきたいと思いますが、今回は現場と当事者の意思決定の仕組みについて分析してみます。
まず、報告する当事者や現場は、報告することによって損するか得をするかというとても単純な天秤によって量ります。そして、多くの場合、報告しないほうが得だと判断することになり、結局、報告しないこととなります。これは減点主義の組織であればより明らかです。また、行政が絡む場合には不利益な結果が明らかでるので、望ましい報告は期待できません。
そこで、報告しなかった場合の処罰をさらに厳しくして、報告しないことの損を大きくすることで報告させようとすることがあります。先回紹介したバスの車内事故報告の事例が典型例で。しかし、これには限界があることがすぐにわかります。なぜなら、重大な事故・トラブルが発生したときに予想される不利益が大きすぎて、頭の中が真っ白になって冷静な判断ができなくなり、深刻な事態に陥ってしまいます。
私がアドバイスさせていただく方法は、報告によるメリットを大きくする態勢づくりです。
これには、大まかに整理すると2つに整理できます。
- 自ら報告することによって、罰を減免する。
- 報告すること自体にメリットがあることを信じさせる。
二つ目の報告するメリットを確信させることはとても難しいのですが、効果は絶大です。報告することによって自分が助けてもらえると信じられることができるような仕組みができれば、パニックになって冷静な判断が困難なケースでも大いに役立つことになります。しかしながら、これを実現している企業や組織は皆無に等しいと思われます。しかし、この仕組みづくりが初期対応の基礎となることを覚えておいていただきたいのです。