2011年から2012年あたりは1ドル80円前後だった外国為替相場が、アベノミクスの効果で、この11月5日には1ドル114円台まで円安が進みました。
経済戦略としての自国通貨安は、輸出数量を増やすことにより輸出産業に広がる裾野の企業の売り上げ増加の効果をもたらします。為替レートに応じて現地販売価格を引き下げることによって価格競争力が相対的に強まり、販売数量が増加するという流れです。
もし、円安時に現地販売価格を引き下げなかったとすると販売数量に影響はなく、直接の輸出企業の利益だけを上積みさせます。つまり、円安のメリットが大手輸出企業の独り占めとなってしまいます。実際に、販売数量はあまり増えずに利益が拡大した大手企業があります。これでは、円安が単なる大手輸出企業への補助金と同じになってしまいます。
これに対して下請けなど部品・原材料供給企業は、販売数量の増加という円安の恩恵を受けられず、かえって輸入原材料などの仕入れコストが上昇し収益を圧迫します。また、エネルギー資源や食料の大半を輸入している日本のポジションを考慮すると、円安によるコスト増は全国民の負担となります。
したがって、政府がいま行うべきことは輸出企業の現地販売価格の監視です。