いざという時の危機管理としてだけでなく、平常時の意思決定や実践行動の土壌となる初期対応の習慣を体得いただく観点から、リスクマネジメントや危機管理に限られず、リーダーシップ、労務管理、マーケティング等に幅広く応用できる初期対応について、最新の事例をもとに学んでいきます。
エキスポランドのジェットコースターの死傷事故の件では、その後の情報の錯綜が批判のポイントとして、クローズアップされています。
このようなアクシデントが発生した場合、深刻なもののひとつが、情報の不足と不正確の問題です。
今回は、部品の落下場所と破損部位について、エキスポランドの当初の発表が間違っていたとの報道が流れています。原因究明のための重要な部分での間違いは、許されないというのが、多くの報道機関の主張のようです。
たしかに、この指摘は、その通りではあります。しかし、混乱のさなかで、当初伝えられた情報が、すべて正確なものであると鵜呑みにすることは、避けるべき第一歩です。
情報伝達を商売としているマスコミ報道機関が、このような初歩的な混乱に振り回され、挙句の果てに事故で混乱している当事者だけに情報伝達の責任を押し付けているのを目の当たりにすると、見苦しく目を背けたくなります。
このような、情報の錯綜はほとんど常に起こります。この混乱に振り回されない情報戦略のポイントとして次のような点が挙げられます。
1. 間違っている可能性がある情報も含めて、できるだけ多く収集する。
2. 各情報が、正しいか、間違っているかについて、軽率に判定しない。
3. 情報の出処、判断根拠、情報伝達経路等を、併せて記録、伝達する。
4. 情報の追加・訂正をポジティブに評価する。
これらの点に留意しつつ、情報の検証を慎重に進めていくことが、今回のような当初の情報混乱の中においても、戸惑うことなく的確な判断と行動の基礎とすることが可能となるのです。
この情報戦略、初期対応の重要な柱のひとつで、危機管理のみならずマーケティング情報は労務情報など多くの場面で活用することができます。
今回のジェットコースター事故では、当事者のエキスポランドと報道機関との両者にこれらの情報戦略スキルが未熟であったことがわかります。しかしながら、しっかり初期対応の情報管理を身につけていれば、情報が不足している状況においても致命的な状況に陥ることなく、冷静、的確な判断と行動ができるリーダーシップを高めることも決して無理ではありません。